第1話

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ゲホゲホと咳き込む広樹には構わず、脱ぎ散らかしていた衣服を拾うと、身に付ける。時にはシャワーを浴びることもあるが、泊まっていくことはない。それだけが、唯一の救いだ。   「悪い話じゃないんだから、考えとけよ。じゃあ、またな」 身支度を整えると、村山は部屋を出て行った。
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