第2話

2/40
85人が本棚に入れています
本棚に追加
/721ページ
バイト先のコンビニは、ロータリーを挟んで、丁度駅の真ん前に立っている。立地としては最高だが、半年ほど前、10メートルも行かない近場に、ライバル店が出店した。更に100メートルほど先にもそれとは別にチェーン展開しているコンビニがある。一店舗だけだった頃はまさに殺人的な忙しさだったらしいが、現在はピーク時を除いてはそうでもない。労働という点だけ見れば楽になった反面、売り上げは減少したらしい。 コンビニの深夜バイトを選んだのは、単に自給が良かったのと、家から近い場所にあったからだ。当初はレジを打つだけ、というイメージしかなかったが、実際働いてみると、その忙しさに驚いた。コンビニ店員ほど仕事が多岐に渡る職種もないのではないか、と思う。公共料金等の支払いや、宅急便の受付等、やることは山のようにあった。おまけに深夜滞は、客の出入りこそピークを覗けばまばらだが、商品の搬入がある。雑誌の紐掛けから、生鮮食品の消費期限チェックまで、細々とした仕事がたくさんある。
/721ページ

最初のコメントを投稿しよう!