第2話

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頬を赤らめながら、彼女のことを話す周防を見て、ふと昔のことを思い出した。昔といっても高2の頃だから、今から3年ほど前のことだ。あの頃は何にも不安なことなどなくて、毎日のように友人とくだらないことを喋っていた。思い返せば何がそんなにおかしかったのか分からないほど、つまらないことに騒いでいた。   いつからか、心の底から笑えなくなっていた。声を上げて笑った記憶が、ここ何年もない。それを寂しいと感じるよりも仕方ない、という諦めの気持ちの方が強かった。
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