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った。そんな九死に一生を得て安堵しているマナトの傍らに、リモとイレルダがかけよった。
「お兄ちゃん!」
「大丈夫ですか、マナト!」
「リモ、マザー……」
マナトが感謝の言葉を言うより早く、イレルダはマナトに手をかざした。するとイレルダの手のひらから桃色の温かい光があふれ出した。治癒魔法だ。
「……これで少しは楽になったかしら」
イレルダの言うとおりマナトの身体から痛みや疲労が取れた。いつの間にか鼻から出ていた血も止まっている。おまけに気持ちもだいぶ軽くなった。マナトは、再び十字架を取りアレグリアに向かって突っ走る。
「うおおおっ!」
「!?」
マナトに気付いたアレグリアはリエルとの交戦をやめいったん距離を置いた。
「マナトさん!」
「リエル、待たせたな。二人でアレグリアを倒そう!」
「はい!」
「フン、雑魚が何匹集まろうが同じこと……。このアレグリア様の敵ではないっ!」
アレグリアはマナトとリエルに接近し、全身を駆使した徒手空拳による攻撃に躍り出た。対するマナトとリエルは、マナトがアレグリアの攻撃を塞ぎ、後ろからリエルが槍で突くという攻撃に出た。近距離戦向けの剣と中距離戦向けの槍、まさに互いの長所を活かした連携プレーである。おかげで先程まで防戦一方だった戦いが、優位とまではいかなくともなんとか相手を攻撃できるまでになった。
先程まで攻めの一点張りだった戦いが一気に攻防戦となりアレグリアは苛立ちを募らせた。
「チッ……、いい気になりやがって……!」
アレグリアは右脚を引いて回し蹴りの体勢に入った。まず足払いでマナトを倒し後ろにいるリエルを攻撃、そして倒れているマナトが立ち上がる前にとどめを刺すという魂胆だ。
だが昼間の、父との戦いでアレグリアの足払いを見ていたマナトにその技は通用しなかった。マナトはアレグリアの足が飛んでくるやいなやその足を十字架で、剣で言う刀身のところに手を添えて防いだ。
「くっ……!」
「もうその技は通用しないぞ!」
さらにマナトの行動はこれでは終わらなかった。マナトはてこの原理で十字架を添えている手を支点に、握っている手を力点に引いた。これにより十字架の先端が起き上がりアレグリアの足を巻き込んだ。アレグリアは突如上がった足に身体の柔軟性がついて来れず後ろに倒れこんだ。
「今だ、リエル!」
「はい!」
マナトの掛け声と共にマナトと
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