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「翔!危ないじゃないか!この子が怪我したらどうするんだよ!」
私を抱きかかえている男子生徒が長髪の男子に向かって叫んだ
「死ぬより怪我の方がマシだろ。それに龍が受け止めるって信じてたし。」
龍と呼ばれた男子はまだ睨んでいる
「……ったく、悪かったよ。少し乱暴にしすぎたわ。でも、命を軽く投げ出そうとしたソイツも悪いんだぜ?」
龍は私をそっと降ろした
「ごめんね、アイツも反省してるみたいだし放り投げたことは許してあげて。」
私は小さく頷いた
パシンッ
私は左頬をビンタされた
「君も悪いっていうのは翔の言う通りだ。何があったかは知らないけど入学式の日に命を捨てようとするなんて……君も新入生だろ?」
「お前はまだ生きてるんだ。簡単に逃げるな。」
「逃げることが悪いとは言わない、でも生きてれば戦うこともできる。」
「俺達に力になれることがあるかもしれないぜ。」
気が付けば他に3人男子がいた
今までの経験から男子に囲まれて嫌な思い出しかない私は怖かった
「急に男に囲まれたら怖いよな……なあ、俺達正座しよう!」
龍がそう言うと男子は皆正座して1列に並んで私の前にいる
「これで俺達が敵じゃないって証拠にはならないと思う。でも、今できる誠意だ。良かったら俺達に話をしてくれないか?1度は命を捨てようとしたほどのことだ俺達も真剣に聞く。」
私は目から涙がこぼれてきた
ビンタされたことじゃない
私のことを心配してくれて本気で怒ってくれて力になってくれようとしていることが嬉しかったのだ
私は中学での苛め、そして、主犯がこの高校にいることを話した
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