赤の試験

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「さあ、龍生もコインを置いて校門から出るんだ」 「誠吾が先に行けよ、俺は皆が出てから出る」 俺は皆が無事に出るまで出ないつもりだ そうしなきゃいけない気がした 「俺は龍生が合格するところを見ないと出ない、それが俺の合格基準だ」 誠吾は決意に満ちた目で俺を見つめている、こういう時の誠吾は意地でも意見を曲げない 「分かった……でも、確認させてくれ。誠吾はコインを持っているのか?」 誠吾はコインを10枚手のひらに乗せて俺に見せた
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