赤の試験

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ーー花村誠吾 龍生が校門から出た 「これで良かったんだよな……」 俺は校舎を見上げた そこには何も見えないが、向こうからは見えているはずだ 「北城先輩……龍生は俺が守ります」 俺は龍生から渡されたコインを地面に置いた 「足りなければ使って下さいっと、まあ、大丈夫だと思うがな」 俺はコインの傍に書き置きを残し、石像へと向かった 「終わったな……いや、始まるのか」 念願の合格でも、俺の心は晴れなかった この試験は合格すべきだったのか? 不合格のほうが良かったのでは? あの人の言葉を聞いてから、そんな事ばかり考えている 「北城先輩、貴女は…………」
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