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ーー日比野司
トイレに行けたのは助かった
でも、体はまだ少し震えている
こんな状況なのだから普通だ
平然としている男子達がおかしいのだ
トイレから出ると次に男子達がトイレに入った
数分後に仲良く喋りながら出てきた
その姿を見た私はなんだか苛々した
「やっぱり俺達は最強だわ、ハハハッ!」
黒滝翔治の言葉を聞いて、私の中で何かが切れた
ガタンッ
私は立ち上がり彼等に向かって叫んでいた
「なんなのよ!あんた達!皆が……友達がこんなに沢山死んだのにヘラヘラと笑って!何が楽しいの?こんな状況楽しいわけないでしょ!頭おかしいの!?」
自分でも何を言ってるのか分からなかった
ただの八つ当たりだ
彼等は何も悪くない
むしろ私達を助けてくれた恩人だ
自分の中の恐怖心や不安のストレスをぶつけてしまった
私は嫌な奴だ
我に返り、涙が溢れてきた
もう何も分からない、考えたくもない
生き残らなければ良かっ……
ガシッ
「えっ?」
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