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明日が待ち遠しい。
もしかすると、明後日かもしれないし、一週間間後になるかもしれない。それでもいい。元気な子が産まれれば、それだけで。
男の子だから、由紀に似ているかもしれない。顔も、性格も、由紀に似ていれば、どんなにか可愛いことだろう。
それで、大きくなったら、一緒にキャッチボールをしたい。大きな犬をつれて、夕日に照らされた公園なんかで。人がいると危ないから、そういうときは、その辺の静かな道や空き地を探そう。
キャッチボールのいいところは、ある程度のスペースさえあれば、どこでだって出来ることだ。そして、会話なんかなくたって、ひとつの小さなボールを通して、心を通わせることができる。
今の僕にできることはせいぜい、携帯電話を前に、今か今かと彼女の報告を待ちわびることしかできないけれど……。
明日、ついに、僕の子が産まれる。
早く、君に会いたい。
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