昔話をしようか

3/3
216人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
流石の俺も憎悪ってヤツを覚えたよ。 今まで仲良くしてたのは何だったんだって。 悲しくて、哀しくて、身を引き裂かれる思いを味わった。 もう、友達なんて作らない。いらない。 必要ない。 誰も信じられなくなった。 まあそんな俺を救ってくれた奴がいた…いたか? なんせ前の話だから。 覚えてるの何てあいつらへの憎しみだけだから。 へ? 語ってる俺は誰だって? 悪い魔女にされた可哀想な男ってのは分かるだろ。 簡単にいうとあれだ。 転生したんだよ。 俺も最初は信じられなかったがな。 産まれた時から記憶があって、周りの大人が何を喋っているのか分かって。 大人の会話に相槌うってほほぉ、何て顔してたら 天才扱いされたっていうのはこの際まあ置いておこう。 考えてもみろ。 あんな最悪な記憶が残ってるんだぞ? すくすくと立派で純粋な子が育つと思うか? いいや、思うはずがない。 当たり前だよな。 当然ひねくれましたよ。 親だって心から信じれて信頼出来るようになるまでどれ程の時間がかかったか… あの二人が、陰で泣いていたのを俺は知ってる。 申し訳なくも思ったけどな。 ま、 そんなこんなで元魔法使い、改め俺、フェル・コルネーユは新しい人生15年目を迎えました。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!