第1章 ― スラム ―

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「………で、オレに物資補給の仕事に適性があるかをエドとあんたで勝手に試してたわけか。エドがオレに寄越した飯は、最後の晩餐てか?」  アンディは薄ら笑いを浮かべながら吐き捨てるように言った。 「あら、それはエドの判断で私は指示していないわよ。彼が、個人的にあなたに敬意を払っただけじゃないかしら。あなたの事を高く評価していたし。今日の仕事は私も同行するから、そのつもりで。あぁ、言っとくけど拒否権はないから。」  ジョナは言いながら、アンディの肩を軽く叩いた。あまりにも勝手な言い種にアンディがジョナに文句を言おうとした時だった。  ッターン……ッターン……とかわいた銃声がエドの居る方向から聞こえてきた。 「……感染者か」  アンディは強張った声で呟く。 「アンディ、すぐに外壁の見張りに厳戒体制に入るように伝えて!私は侵入出来ないように迎撃する!早く!!」  ジョナは、フェンス内にある狙撃用の矢倉の方へ駆け出した。
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