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「…だが、証明式は非常によくできている…一見突飛に見えて破綻がない…」
「君、この式を本当に自分で?」
「ど…どうするのさ。発表したら一躍、時の人だぞ!」
カイは微笑んだ。
「君達にこの証明式やるよ」
「「「…………はっ!?」」」
「君達の言うとおり、この証明式が発表されたら数学界は大変なことになるし、発表者にはノーベル賞はもちろん、国内外のあらゆる権威ある賞が確実に転がり込んでくるだろう。
ただ、ある事情があって僕はそういうお祭り騒ぎの真ん中に引きずり出されることは極力避けたいんだ。かといって『人類の宝』とも言うべきこの数式の謎を埋もれさせておくにも忍びないしね。
この部室をスルーする代わりに君達がこの式を僕の代わりに発表してくれれば、『時の人』どころか確実に歴史上の偉人だ。
君達が目下、血眼になってるところの進路?だって、東大どころか、ハーバード、ケンブリッジ、マサチューセッツ…ありとあらゆる名門大学から引きが来る」
「「「………」」」
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