〈10〉被害者二人目~三人目発見、そして

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あたしと数オリはそのまま校舎までの道を歩いた。スポーツ特待の朝練の子くらいしかいない時間だ。あたしも普段は寝てる。 「特進って、ずいぶん朝早いんだね」 「本来なら、早朝特講ってやつがあるんだ。でも、今頃他人頼みで講義を聞いてるようじゃダメだ。が、お陰で自習室は空いている」 「へ…へえ…」 今日当てられる予定の英文和訳を、授業直前の10分、シエラ頼みで何とかしようとしているあたしとエラい違い…、少し反省しなくちゃ? 「昨日、ニュース観たよ。失踪事件の被害者が次々発見されてるね。表には全然出てないけど、ミステリー研究会の手柄だろ?」 「というか、ほとんどカイと緋色さんだけどね」 「どうせ無理だろうと軽い気持ちで言ってやったのに。スゴいよなあ。完敗だ 」 「勝ち負けとか…。そういうの、もうやめにしない?数オリが言い出したから事件の捜査が始まったんだし。ちゃんとお手柄だよ」 「……」 「…何か気に障った?」 「いや…逆。そういう考え方ができる君が、かえってスゴいというか…その、特進って全員相手がライバルだからさ」 「……」 特進って……思った以上に大変なんだなあ……
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