〈1〉ミステリー研究会、存続の危機

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ちなみに、緋色さんと灰には1/4、イギリス人の血が流れている。お祖父さんとお祖母さんが健在だった頃は、英国流と日本流のマナーと所作をきっちり教え込まれたらしい…、まぁこれはあまり関係ないかもしれないけど。 少なくとも黒夜叉兄弟の、外見だけじゃないスマートさとか垢抜けた雰囲気とか…そういう点には貢献しているような気がする。 「そうそう、二人の自転車は警察で預かってあるそうよ。緋色さんがパトロールの途中で届けてくださるって、メールが」 「公私混同も甚だしいな」 だからあんたが言うな。 「ママ、緋色さんとメル友なの?」 こっちの方が意外だ。 「メル友っていうか…、今後こういう形でお世話になるかもしれないから、ってあちらから教えてくださったのよ。仕事上、すぐに連絡取れないことも多いから、って。 警察官舎で男の子二人暮らしとはいえ、やっぱりこういう時は心配ですものね。灰君も我が家だと思って、いつでも頼ってくれていいのよ」 いや、そんな距離ナシな関係ってさすがにマズいでしょ。カイだってありがた迷惑…… 「ありがとうございます。なるべくご迷惑はかけないつもりですが、そう言っていただけると心強いです」 え、笑顔………。
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