〈1〉ミステリー研究会、存続の危機

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まるでどこのロイヤルファミリーだ!ってツッコミたくなるほど好感度120%の笑顔だよ! 意外だ。 緋色さんに保護者役をされるだけで、カイは嫌な顔をするのに。 「ほほほ、昔から家族ぐるみの仲じゃないの。私も息子みたいに思ってるわ。何より愛莉の恩人ですもの。 生まれ育った街に戻ったと言っても、もう十年も前なのよね。わからないこともたくさんあるでしょう。遠慮なんかしなくていいのよ」 「カイ、警察官舎で二人暮らしなの?昔暮らしてた家は?」 家を出てから、あたしはカイに聞いた。……昔の記憶でおぼろげだが、花好きのママが造ったお洒落なイングリッシュガーデンがあって、綺麗な花が一年中咲いていた…… 「手放してはいないよ。アメリカに渡る時、賃貸に出した。その時の家族がまだ住んでるし、緋色は単身で転勤族。家の管理まではできないからしばらくは寮で十分だって。まぁ、僕が転がり込んで来たのは想定外だったろうけど」 「そうなんだ」 あの頃よりずいぶん新しい家やお店が建って、もう道さえもおぼろげにしか思い出せない思い出の場所。まだ守られているとわかって、あたしはほっとした。 「緋色には狭いって文句言われまくりだけど、ヤツだってそのうち本庁に戻るだろうし」 「そうしたら…、どうするの?」 「そうだな…愛莉の家にでも下宿させてもらうかな」 「え」 あまりに無邪気なカイの笑顔に思わず後ずさる。
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