〈1〉ミステリー研究会、存続の危機

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「“本庁”って“警視庁”のことなんでしょ。サスペンスドラマとかそういうのでしか見たことないけど…緋色さんだって、忙しくなるんじゃない?それに緋色さんに彼女ができたら…、とかは考えないの?」 「ん~~~、ま、しばらく先の話だし」 事件の時はあれだけ頭を回転させて色々推理してたのに…どこまで自分のことはお留守なんだ、この人は。 まあ、カイも人間なんだな、ってほっとしたりもするんだけど。 ……バランス悪いけどね。 「ほら、バス停に着いたぞ。じゃあまた、学校で」 通りの向こうからバスがやって来た。カイがポン、とあたしの肩を叩いて来た道をすたすたと戻って行く。 「…え…?カイ、乗らないの?学校は?」 「家で着替えてから行くよ。ついでに緋色からも色々リクエスト来てるから、届けなきゃ」 カイはポケットのスマホを指し、昨日のままの黒シャツを引っ張った。 「………」 え、それじゃ。 あたしの家もバス停も黒夜叉兄弟の住む警察官舎とは逆方向だ。なのにわざわざ倍の距離を遠回りして…。
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