〈1〉ミステリー研究会、存続の危機

8/28
前へ
/173ページ
次へ
放課後。 「アイ、タイヘン!一緒に部室に来て!」 「えええっ?」 すごい剣幕のシエラにいきなり腕を掴まれた。 「い…一体どうしたの!?」 「ワタシのシマで、好き勝手させないアル!アネキ、スケダチしてくれでゴザる!!」 「いやだああああ!!暴力反対!!」 なんだか物騒な予感しかしない。 あたしがシエラに引きずられるように連れてこられた「ミステリー研究会」の部室……校舎の外れの空き教室なのだが……そこでは、ちょっとした騒ぎが起きていた。 漣斗と…同じ二年生とおぼしき男子生徒数人が何やら言い争っていた。 相手の一人は見覚えがある。新任の生徒会長だ…後は見覚えがない。雰囲気や会話の断片から察するに、特進クラスの子達だろう。 「繰り返すが、実体のない『ミステリー研究会』にはこの部室を明け渡してもらいたい」 な、…何だって!?
/173ページ

最初のコメントを投稿しよう!

78人が本棚に入れています
本棚に追加