0人が本棚に入れています
本棚に追加
「違うよっ!」
女子グループの中に入って数分だった。
三上さんが声を荒げた。あんな彼女は見たことが無い。
そして、今にも泣きそうな顔を伏せた。
「でもー、宇月は違わないかもしれないじゃん」
そして、その女は僕に歩みを進めて目の前に立ち止まった。
「えみり!やめてよ!」
「確かめてあげるって言ってるんじゃん」
えみりと呼ばれた女はにこりと笑って口を開いた。
「華都と宇月ってぇ…付き合ってるの?」
ざわついていた教室が少しだけ静かになった気がした。
「ねぇ、聞いてるの?他のクラスの子が仲良く一緒に歩いてるの見たらしいんだよねぇー」
「だから?」
「えぇ!何ぃ?その反応図星ー?」
「…あのさ、付き合ってたりとかしてないよ」
「そうなの?じゃあ…「そもそも、友達ですらないし。その事についてはクラスの全員に言えることだから、あんまり馴れ馴れしく話しかけないでくれる?」
えみりが唖然としたのが分かった。
「勝手な憶測で、話を進められるのが一番鬱陶(ウットウ)しいよ。でも、そうゆう関係になるのであれば君より三上さんの方がましだね」
僕はそれだけ言って席を外した。
ああゆう人のうわべしか見ない人間が嫌いだ。
最初のコメントを投稿しよう!