第1章 つながる

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軽やかな鳥の声。 朝の五時、ゆっくりと体を起き上がらせて眼鏡をかけて、僕の一日が始まる。 スウェットのまま顔を洗い、一回洗濯機を稼働させる。 その間に朝食を作る。 そして、まずは一番下の妹を起こす。 次にふらりと双子の妹が起きてくる。 その後に洗濯物を干して、姉を引きずって無理矢理朝食の並んだ席に座らせて制服を着て高校へ向かう。 「じゃあねぇさん、行ってくるから、戸締りと火の元だけは気を付けて」 「…んー」 気のない姉の返事を聞いて、玄関へ向かおうとした時テレビの音が耳へ入る…。 ………昨夜未明………市…………男性が顔面蒼白で……… テレビの前へ戻る。 「……近いな」 「…あぁ…今日、ちょっと寄ってくるよ」 姉はテレビの画面を見つめたままコーヒーを口に運んだ。 「気を付けろよ」 僕は姉に少しだけ微笑んで、家を出た。
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