スターターキット

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~1時間後~ 「はぁ、やっと覚えられましたわね。この程度に1時間もかかるとは、困りますわね。この世界の常識はまだまだこんなものじゃないのに。」 溜息を尽きながらも紅茶を優雅にすする姿も美しい。 「というか僕冒険者なんだし別に会計とか市場変動の予兆とか契約書の書き方とか覚えなくてもよくないですか?」 「………………。」 「そういう事よりも剣の稽古とか魂波の修行した方がよかったんじゃ…」 「だって私剣はできませんし、魂波も学校の中じゃ上の方ですが父様には程遠く及びませんし…どっちかと言えば経済の方が好きですし…。」 「いや、僕も男だからさ、その…魔法とか憧れるし…ほら!剣を振るうのもカッコいいし魔物とかも見てみたいしさ。」 気が弱そうに見えてもやはり男、ロマンスや中二な単語が有れば食いつく。 「なら、魂波の練習と海までちょっとしたお出かけついでに初歩の魂波でも使ってみましょうか。となれば!中庭に行きましょ?広いところの方が練習しやすいですし。」 「うん!!僕頑張って覚えるよ!」ニコッ 「…!!そのやる気を少しでも経済の勉強に回せばいいのに。」 …… 「さて、早速始めましょうか?まず魂波の初歩の初歩。【空飛びの波】をやってみましょうか。」 「空飛びの波?空を飛ぶのですか?」 結構不安な顔をしてるが、失敗した場合骨折程度じゃ済まないことを練君はまだ知らない。 「そんな顔しないの、子供でも学校に入る前には余裕で出来る魂波なのに、なにがそんなに不安なのやら…」 「不安要素しかないんですが。というかどうやれば魂波が使えるのか全くわからないんですが…。」 練君はこの世界に来てまだ2日目、1日目はチノ様と他愛もない話をしていたら過ぎてしまったが、そのおかげでこの世界の常識とかはそこそこ覚えられた。後、会計とかは常識じゃ無いと思います。 「う~ん、れんちゃんはまだ器を埋める感覚を味わったことがないでしょうから。まずは魂の器の容量を確かめてみましょう。」
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