164人が本棚に入れています
本棚に追加
「では、今かられんちゃんの魂の器の容量を測って差し上げます。準備はよろしくて?」
直径1メートルほどの水色の玉をポンポン叩きながら少し唇を綻ばせつつ何故かニヤニヤしているチノを見て、練君がちょっとばかり不安になったのは仕方が無いであろう。
「う、うん。大丈夫です、それで僕は何をすればいいんでしょうか?」
「れんちゃんはコレに触るだけでいいですわよ?」
チノ様がとてもニヤニヤし始めたんですが、何か仕掛けがあるのだろうか…?
「大丈夫、大丈夫。触ってもちょっと満たされるだけですし。」
「満たされるって何!?どういうことですか!…と言ったところでどうせ答えていただけませんよね…。」
「ええ、そうですわね。はよやれ。」
「え?」
今なんか聞こえた気が…?
「早くやってくださいませ、れんちゃん。」
「う、うん」
とりあえずさっきのは気のせいということにしておこう。
そして、玉に触った。
なんか…補充されてる感じがする。というかこれは…頭に直接疲れが溜まってる気が……。ダメだ意識が………。
パタリ…
「ちょ、ちょっと!?起きなさいよ!もう、この程度でだらしないわね。
…………私のベッドに運んでおきますか。結果は執事に後から聞くとしましょうか。」
また明日、沢山お話しましょ?練君。
~翌日~
「ん~いい天気。」
練君が窓を開けるとそこには永遠と続く雲一つない青い空
下を見れば町を歩く人々
「昨日は曇り空でしたから、今日は何かいいことが起こりそうですね。」
「そうですわね。」
「……。チノ様、いつからそこに?」
知らない間にチノ様が部屋に居た
「さっきですわよ?『何かいいことが起こりそう』辺りから聞きましたわ」
そう言ってちょっと得意げな顔になるチノ様。
朝から眼福です。
「そんなことより、早く着替えてくださらない?」
「え、何故ですか?」
「まったく、昨日言ってた事。もう忘れましたの?」
最初のコメントを投稿しよう!