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だが、それ以上に俺の心に、多大な恐怖を感じさせたのは――。
怪物の顔であった。
(な....何で、この化け物....太一と同じ顔をしているんだ――!??)
訳が分からない事は、言うまでもないが、何より恐ろしかったのは俺が太一と同じ顔した何かを、殺そうとしてる事であった。
(コイツは、太一じゃない!
化け物だ――!!!)
勿論、こんな姿をしたモノが、太一であろう筈がない。
頭の中では、分かっていた....。
だが、俺の心がそれを納得出来ず....。
悲鳴を、上げていたのである。
しかし幸か不幸か、俺には悩んでいる余裕など無かった。
「京介――。
早くズラかるぞ!!」
やや、離れた位置より俺の耳に、入り込んでくる孝之の声。
「あぁ、了解だ――!」
やや大きめの声で孝之へと、そう言い放つと、俺は化け物の頭部を再度バットで殴り付けた――。
そして....。
俺は全速力で、その場から走り去ったのである....。
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