水鏡の夜

神隠し

「あれは本当に現実だったの……？

それとも夢や錯覚の類い........？？」

静枝は自身の記憶を、掘り返しながら冷静に、昨日の状況を整理した。

昨日、公園から必死で走り続け....気がつけば息を、絶え絶えで静枝はアパートの前に、立っていたのである....。

右腕にぶら下がっていた....しわくちゃのマイバックには、海苔弁と酎ハイ二本が入っていた。

静枝は海苔弁を一気に食べきると、同じくバックに入っていた酎ハイ、二本を一気に飲み干したのであるーー。

後は....汗をシャワーで即座に、洗い流し何もせずに、ベットに入り込み気がつけば熟睡していた....。

それが静枝の記憶に、ある昨日の状況の全てであるーー。

そう........あの公園の事以外は――。

(それにしても....あの公園での事が、夢や錯覚じゃなかったとして、もし現実だったとしたらなら･･･････。

あの生き物は一体、何んだったの？)

静枝は想像力を、働かせながら幾つかの可能性を考えた。

一つは、一番リアルな所で地球外生命体の可能性。

二つ目は、実験生物や突然変異の線。

三つ目は、日本古来から存在する妖怪や幾つか、目撃情報のある怪生物の類い。