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「君達、怪我はないか?」
祐一は、この施設に逃げ込んできた二人に、そう声をかけた。
「ま、まぁ....何とか....。」
祐一の言葉に、そう答えたのは孝之であった。
「俺は、佐々木祐一。
此方の女性は、古谷静枝さん。
後は、此方の施設の...えーと・・・・」
「此方の施設ではなく、香桜製薬だよ佐々木さん――?」
不意に、黒渕眼鏡をした白衣の男が口を鋏んでくる。
年齢は四十代前後と言ったところだろうか――?
「私は、香桜製薬の研究員・青沼匠【アオヌマ・タクミ】だ。
で....此方は、警備員の小西和夫【コニシ・カズオ】さん――。」
祐一の言葉に、続けるように白衣の中年男性は、そう名乗った。
それに応じて、孝之と結花理も自己紹介を始める。
「俺は、進藤孝之と言います。」
「私は....象潟結花理....です。」
そう....孝之と結花理が、挨拶を終えるのを確認し静枝は言った。
「私と佐々木さんは、外の怪物から避難する為に、ここに逃げ込みました。
青沼さんと、小西さんに関しては....私達も先程、会ったばかりなので詳しい事は分かりませんが――。」
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