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闇夜の公園
「はぁ~........やっぱり駄目だ。
全然書けないや........スランプってやつかな?」
私は窓から見える人気の少ない街並みを見渡しながら溜め息をついた。
私は古谷・静枝【コタニ・シズエ】
ベストセラーとか有名作家とか、そんな世界とは縁遠い....何とか、ギリギリ食い繋いでいる類いの貧乏小説家の一人である。
年齢は現在二十五歳。
しかし世の中、本当に便利になったものだ。
今時は電子小説ってものがありワザワザ原稿用紙やフロッピー....その他諸々の情報端末などで、作品を送る必要が無いのだから。
そして....私もたまたま、趣味で投稿したミステリーが、そこそこの評価を得て、この道に入る事になったのである。
(しかし、幾らやりたい事や目標がなかったからって小説家は、早計すぎたのかな?)
その結果、小説の売れ行きは、何とか生活出来る水準の貧乏小説家としての毎日を送る事となった。
一体、何書いていいかを悩む毎日を、過ごしつつ両親には、売れ残らない内にさっさと、嫁の貰い手を探しなさいなんて皮肉を、言われるは散々な人生である....。
(まぁ、本当は私の事を心配して言ってるって事は分かっているんだけどね?)
私はタバコに火をつけると、ぼんやりしながらタバコをゆっくりと口元に運んだ。
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