プロローグ

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「部活中だとアレだから、終わってから池端公園でどうだ?」 「……はい」 「んなきばるなって。俺だって、バトン苦手なんだよ。去年の三年が厳しかったから、滅茶苦茶練習させられて、やっとまともになったんだ」 話しかけられる度に小さく頷く。 うまく返事ができない。 普通にしているつもりなのに、目つきが悪いので、いつも他人から怒っているようだと見られてしまう。 睨んでいないのに睨んでいるとからまれることも多いし、いつも他人からは機嫌が悪いと思われがちだ。 でも今も、普通とも言えない。 顔が熱くて、戸惑う。 これでもかというくらい最高に気持ちが舞い上がっていて、足元がふわふわする。
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