第1章

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【拾壱】 わしは、坊の様子をずっと見ておった。 あんなにもなついていた わしが、いきなりこんな姿になっては、その怒りの矛先もいく先がないだろうに。 お爺さんも、鬼にやられただなんて 坊のことをもて余しておるのだろう ………。 せめて、坊の旅道中 ……… 困らないように、キビで団子を拵えてやろう。 ……………… 無事に、行けるように。 坊の強さがあれば …………… きっと  ……………… …………… きっと。 ……………… このキビ団子があれば。 .
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