第1章

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【壱】 お爺さんは、今日も山へと出かけていった。 毎日の暮らしが楽なわけではない。 が、優しいお爺さんはなにも云わずに芝刈りに出かけて行く。 芝刈りして売っての生活では、楽ではない。 とはいっても、わしもやらなきゃならない洗濯をしに、川へと向かった。 【弐】 芝を刈り終えて山を降りてきたお爺さんの背負子から、なんやら声がする。 ……………… 雀 じゃ。 焼き鳥にでもして、精をつけようというのだろうか? それとも、巷でうわさの鳥屋に売って生活に華を添えようというのだろうか。 が、お爺さん ………これまた楽しそうに遊んでおる。 わしには、ちいともかわいさがわからん。
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