第1章

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【伍】 雀に魅せられているお爺さんを横目に納屋にしまいこんだ桃を見に行く。 (だいぶ、赤く色づいてきて食べ頃のようじゃ。お爺さんとくわせてもらおうかのぉ。) わしは独り言のよいに呟いて、家に戻った。 【六】 翌朝、お爺さんの雀の浮かれたような鳴き声に目を覚まし、たたきに目をやると 数匹の雀が、障子の張り替えようにと必死に工面した糊を、啄んでいた。
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