第1章

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【八】 今日は洗い物も少ないので、坊と麦や粟やキビの脱穀をしていた。 坊には、脱穀され籾が落ちてゆくのがおもしろいようで、ずいぶんとたくさんできあがった。 「ばぁ、じぃ…………遅いねぇ。」 言葉を覚えた坊に言われ、いつもなら山を降りて帰ってくるおじいさんがまだなことに気がついた。 辺りもずいぶんと暗くなってきた。 さすがに心配になり、坊と外に出ると背負子に葛籠を乗せて赤い顔をしたお爺さんが帰ってくる。 .
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