裸にチョコレイト

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 セックスをした後はどうしてかお腹が空いて仕方がない。  オールドファッションタイプのチョコレイトドーナツを齧る私は、さして面白くもない古い洋画を見ていた。 小さなスタンドライトだけで薄暗い部屋では、びかびか、と白くも映るテレビは少々目に鬱陶しい。 「……寝てた? 俺」 「うん。起こした?」 「ううん。起きた……甘い匂いがする」  男の友達が、もぞもぞ、と仰向けに寝そべっていた私に被さるように毛布の中を泳いできた。 もぐもぐ、とチョコレイトドーナツを頬張る私の頬に顏を寄せてくる。 「寒くない?」 「へーき」  本当は少し寒い。 暖房は付けているけれど、冬だし、素っ裸だし。 彼も素っ裸だ。 「今日もチョコ食べてんね」  食べている私にキスしてきた彼は、舌を出して私の唇をなぞるように舐めてきた。
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