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「眠いな。」
健太郎は虫眼鏡で覗くとお腹を膨らませたナナフシたちが気持ちよさそうに眠っていました。
ペコペコナナフシから、スヤスヤナナフシに変わったんだと思いました。
沙織がもじもじさせながら言いました
「トイレに行ってくるね。」
達也も付いていこうとしましたが「お兄ちゃん、一人で大丈夫だよ。」
そういうと走って行ってしまいました。
ここから歩いて10分ほどにトイレがあるので大丈夫だろうとまた座りなおしました。
しかしいくら待っても戻ってこないので心配になりました。
「俺、沙織の様子見てくる。」
「僕も行くよ。」
トイレにはやはり誰もいません。
達也の顔がみるみる真っ青になるのがわかりました。
「探そう。」
「お、おう。」
汗を流しながら走り回り、声のかぎり呼び続けました。
「さおり!」
「沙織ちゃん!」
早く見つけてあげたいのに足ががくがくして動けなくなり倒れこみました。
そのひょうしに虫眼鏡をぽろりと落ちました。
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