第1章

8/9
前へ
/9ページ
次へ
覗いて見ると、映し出されたのは、体より目が異常に大きいアリたちがあたりをキョロキョロと見まわしていました。 やがてキョロキョロアリの行列ができてきました。 「達也しっかりしろ。こっちだ。」 辿っていくと、かすかに声が聞こえてきました。 しばらく走っていると、かすかに声が聞こえてきました。 「お兄ちゃん、健ちゃん・・・。」 声のする方に歩み寄ると深い穴の中から、沙織が目に涙を浮かべていました。。 「沙織!」 「沙織ちゃん。今助けるから。」 手を伸ばしてみたが届きそうで届きません。 「達也、シャツでロープを作ろう。」 「わかった。」 二人のシャツをつないだロープを垂らすと沙織に届きました。 「せーの。」 「せーの。」 二人力あわせて引っ張りますが、なかなか持ち上がりません。 沙織は不安そうな顔をしていました。 「これ受け取って。」 沙織は健太郎が上から落としてくれた虫眼鏡を拾って覗いて見ました。 そこにはてんとう虫たちがたんぽぽの綿毛を持って上下に振っていました。 「フレフレてんとう虫だよ。僕たちを応援しているんだよ。」 「私も頑張る!」 「せーの、せーの。せいの!!」 ようやく沙織を穴の中から引っ張り上げることが出来ました 「やったー。」
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加