0人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
もしもクリーンなギャンブルが存在するとしたらそれは潔よさである。だかギラノをはじめ多くの強迫性ギャンブラー達が最も恐れているものこそがこの「潔よさ」なのである。それを考慮した場合ギラノが三千円で勝負を終え、あきらめるなどということは到底ありえない話しなのだ。ギラノは初めから瓶の金を軍資金と考えていたのだ。
「ハァ、ハァ、ガハァ、、カッ、ハ、はじめから、か、金持って出るんだったぜ、、ハァ、よく考えたら、三千円で勝てるわけがねぇ、、」
ギラノは瓶から三万円取り出し家を出た。
ギラノはホールにもどると再びアマデジ海に座った。
「クソが!手間取らせやがって!この玉便器が! 頭にくるぜ、、金を取りに行かせたこのクソ甘台にも、初めから金をもって来なかった甘ちゃんの俺自信にもよぉ、吐き出せ!
ギラノは再びうちはじめた。そして五千円、、六千円、、、一万円。
「クソが!なめてんのかよ!何が遊パチだチンカスが!全然楽しくねー!なんなんだ甘デジって!一体なんのために存在してんだよクソ袋が!
ギラノは甘デジコーナーを去り、MAXスペックの海物語りに座った。そして一万、、二万と投資がかさんでいく、「一体なんだってこんなについてねーんだ、何で俺だけでねーんだよ、、」
ギラノが途方に暮れていたその時、パチンコ台の正面のガラスにギラノを見ている男が映った。満歩である。
まんほ「よぉー、何やってんの?」
ギラノ「・・・・・・・」ギラノは正面の台を見続け手で虫を払うような仕草をした。満歩はホールに消えていった、
「クソが!人間と話せる精神状況じゃねーんだよボケが!何やってるか見てわかるだろうがアンポンタン!平和主義者が、、幸せにパチンコですか?いいよなー余裕があるやつは。」
ギラノは残り一万円も失ってしまう。
「く、クソが、、気持ち悪くなってきた、、さ、寒い!」
ギラノが感じた悪寒、、それは風邪などではなく ギャンブラーの境地、いうならば底の底、ギャンブルという魔物がのさばる地の獄から吹き上げてくる突風がギラノの体を蝕んでいた。
ギラノは満歩に電話した。
「ああ満歩か、どこだ?」
満歩「今薬局だよ」
ギラノ「そこにいてくれ!」
ギラノは薬局へ走った。
「満歩!、ハァ、ハァ、か、金貸してくれ!千円!すぐかえす!」満歩「どうしたんだよ」
ギラノ「今話してる場合じゃねー、やべーんだ、タクシーで帰る!」
最初のコメントを投稿しよう!