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「へへ、コイツでまぁ二万くらいで出てくれれば七連くらいして引き戻して10連くらいしてくれりゃあすぐに三万発だぜ、、ヒョウ!たまんねー!、」
ギラノの言っている事は間違いではない、が、それは総てが調子良く最良の方向に進んだらの話だ、稀にパチンコにはそういう時もある、あることはあるのだ。だがこの状況で都合よくそのような幸運を呼び込める者は少ない、、「く、クソが、もう一万しかねぇ、やっぱり「無難」に海にするんだった、、最初から北斗打つアホがどこにいんだ!もともと三万で崩せる城じゃねぇんだ!最初は甘デジで増やしてからやるべきだった、、しかし、今更甘デジなんてやってられねー、海だ海。
人間というのは一度高くなった水準を元に戻すのは難しい、それが金銭面の問題なら相当な自制心がないともとの感覚に戻れない、ギラノが甘デジに戻れないのも無理はないのだ。
「海なら、まぁ八千円あれば引けるわな、仕方ねぇ、海だって二万発くらいいけるだろ!たのむぜ!」
水準は下がらないが理想は下げる事ができる、ギラノの中に百人のギラノがいたとして「妥協」案は満場一致で可決するだろう、大戦の場合士気を高める有効な作戦と言えるだろう、ギャンブラーにとっての妥協は栄養補給なのだ。皮肉なことにあれだけ形ばかりのクールダウンをしようとしていたギラノだが無意識にクールダウンはおこなわれていたのだ。
「ふ、ふざけろ!なんだって今日に限って一回も引けねーんだ、いつもいつも閉店間際にターボがかかりやがって!クソが!」ギラノは勢い良く回転椅子に手をかけその勢いで店を飛び出した、椅子が左右に大きく揺れたのをギラノは振り向き様にみた、ギラノにはそれがまるで悪魔が首を横に降りながら、だめ、でないでない、出しません。 と言っているように見えた。しかし今のギラノに神も悪魔も関係なくどちらがいいかと言われれば 大当りをくれる方を選ぶだろう、それが宗教でも悪法でも、、、続く
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