恋の病は・・・Second Season~冬~

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彼は私をベッドに寝かせ、震える唇にキスを落とす。 その唇は首筋を伝い、鎖骨に沿って生温かな感触が辿って行く。 彼が触れる場所から、波紋の様に広がる熱。 「……」 バクバクと、心臓が壊れそうに拍動している。 何が気持ち良さなのかも分からない。心の準備も出来ず、先走る様に飛び込んでしまった私はただ怖くて、緊張で何も考えられない。 初めて与えられる感覚に耐えるように、強張った身体が小さく震える。 スカートの下からゆっくりと忍ばせ内脚を撫でる、彼の大きな手のひら。 「………ひゃッ!」 ぞくっとする未知の何かが、身体を走り抜けた。 アソコを突き破って……血が出るほど痛くて…… 地から湧いたように恭子と亜沙美の言葉が頭に巡る。 刹那に、衝動的な恐怖心に見舞われた私は更に身体を固くし、訳も分からず涙が滲む瞼をギュッと閉じた。 「……ったく、無理しやがって」 溜め息混じりの小さな声が、私の耳を掠めた。 同時に、私の腿に触れていた彼の手が離れる。 「えっ?」 「やっぱ止めた」 「えっ!?止めたって…どうして!?」 体ごと離れて行く彼を見つめ、私は声を裏返す。 「今の琴音を抱いても虚しいだけだから」 「そんな……どうして…」 私は彼の後を追うように体を起こし、ベッドから立ち上がろうとする彼の背中を見た。 「それを俺に言わせるのか?……今夜は飲んでるから送ってやれない。今からタクシー呼ぶから、帰って頭冷やせ」 彼はテーブルの上に置かれた携帯を掴んで、それに視線を向ける。 「先生……嫌だ。帰りたくない」 「親に遅くなること言って無いんだろ?今夜はとにかく帰れ。来週会った時にゆっくり話そう」 彼は涙ぐむ私にそう言って、重苦しい沈黙の中に深い息を落とした。
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