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怖くなんてない……
だって、彼も私と同じ想いでいてくれる。
私も彼に想われていると、触れ合う肌の温もりが教えてくれるから。
だから、何も怖くない。
「………先生…っ……大好き……ああっ…っ…」
予想以上の圧迫感に気が遠くなる。けれど、伴う痛みさえ恋しくて、嬉しくて、ジワリと涙が滲む。
捧げるとか、失うとか、そんなものでは無い気がする。
もっと奥深くで彼を感じたいと言う欲求が、灼熱の塊となって込み上げてくる。
「琴音……愛してる」
彼の熱い吐息が降り下りる。
―――愛してる、だなんて。先生に、そんなふうに言って貰えるなんて――。
「……私も愛してます。先生……ずっとこのまま…」
―――あなたの側にいたい。
重なり、溶け合って、彼の温もりに抱かれ。
――頬に幸せの涙が零れた。
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