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「ねえねえ、センセっ。これで私も大人の女性になれたよね?」
彼の胸に頬を付け、子猫が甘える様にスリスリとする私。
「ん~?」
「ついに先生と結ばれたって聞いたら、恭子も亜沙美も驚くだろうな~。私の事、中学生レベルって言ったんだから!」
「わざわざ報告せんでいい!そう言うところが子供だって言ってるんだ」
先生は腕枕するその手で私の頭を撫で、呆れた様に溜め息を吐いた。
「それに、今日のはまだまだ初心者コース。大人の階段の一段目」
「ええ~っ!?まだ一段目なの~」
ふて腐れて、口を尖らせる。
「これから、たっぷりと教えてやるよ」
教えるって……
「……何を?」
「勿論。琴音の知らない大人のセックスを…」
彼は耳元で囁いて、唇に蕩ける様な甘い口づけをした。
――――先生。
あの時、あなたは「一人の男として治療してやる」と私に言ったけど…
私の病は、ますます悪化傾向にありますよ?
だって、あなたが与える薬はあっても無くても私を狂わせる。
この世でたった一つしかない、恋の媚薬だから。
「篠田先生。手の施しようの無い重症患者にしたこの責任。勿論、取ってくれますよね?」
―― end ――
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