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篠田先生。
彼が私の命を救ってくれた。
―――この日、私は恋に落ちた。
彼がかけた温かな魔法は、深い眠りと共に、甘い恋の始まりへと私を誘った。
けれど…
私は21歳の女子大生で。
彼は14歳年上の、優秀且つ黒縁眼鏡の似合うイケメンドクター。
当然の事ながら、女として相手にして貰えないどころか全くの子供扱いで。
どんなに自己アピールをしても、越えられない【主治医と患者】の空高く聳える壁。
先生の結婚ガセネタ騒動で、一度は諦めようとした片思いだったけど……
―――今から約一か月前、奇跡が起こった。
再び私の命を救ってくれた先生は、退院をするその日、
病室で…
「これからは主治医としてじゃ無く、一人の男として治療してやる」
そう言って、呆然とする私の唇にキスをした。
三年間の片思いの末に実った恋。
大好きな先生と過ごす時間は甘すぎて……目眩がして……
この想いを、もっとあなたに伝えたい。
だからね、
恥ずかしいけど、怖いけど…
「キスの先にある【初めて】は、大好きな先生に捧げたいの…」
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