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第六話
おだまりなさい! 吠えかかる野口を十瑠子は一喝した、「いい、よく聞きなさい私は今日あなたに伝えなければならないことがあるの、これはあなたにとって大事なことよ、いいえ人として失ってはならないものだわ、どんなお話か聞きたくて?」 野口はまごまごと答えた。「・・・聞くよ、」 「そう、物分かりがいい子ね。それじゃあ私は貴方に重要な話をする、貴方はそれを聞かせてもらう、立場としては私が上ね、上の者から話を聞く時はそれなりの態度ってもんがある、私を怒らせるんじゃあない、」 「わかった」 「貴方はお酒は飲まないの?」
「普段飲まないけど付き合いで、」
十瑠子「たまに?」 「うん、まぁそれでも一杯程度で、」
十瑠子「あまり好きではない?」
「そ~~うだ・ね、おいしいと思わないし、」 そう、それじゃあ自社のウィスキーを呑んだ事は?
ん~~~・ない、ないかな?ないね
ではこれを呑んで見て、 十瑠子はバックの中からステンレス製のウィスキーボトルを取り出した、貴方が飲みやすいように水で割るわね、でも本当はこれがウィスキーの味と香りをひきたてる一番良い飲み方なの、十瑠子は野口のチェイサーの氷を取り出しウィスキーをグラスの半分程注いだ、 飲んでみて、
野口は少し嫌な顔をしながらグラスを鼻に近づけ、ためらいながら口をつけた、「!あれぇ、変だな、あれほど嫌だったウィスキー独特の酸味や雑巾を喉に押し込めるような強い臭みが全くないよ!」
では次にこれを飲んでみて、十瑠子は店のメニューにある イザワ の十二年物を常温の水と一緒に注文した、そして先程と同じ手順で野口に飲ませた。「!うぇー、これだよこれ、この動物の臓器を絞り出したような臭み、これを一瓶ものんだら地獄の悪魔になっちゃう、」残念ながらその悪魔の飲み物を日本へ広めてきたのが私達の会社よ、 「なんだってぇ!」
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