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第二話
野口は昭和30年代ベビーブームのさなか塗装屋の八男坊として産声をあげた、家は貧しく野口は中学へは行けなかった、野口が十五歳になった時野口にとって転機が訪れる。ある日の夜父親に酒を買ってくるよう頼まれた野口は酒を買った帰り道で一人の女性に声をかけられる、一見してこの貧しい地域には似合わない派手な娼婦と言う印象をうけた。野口は足早に通りすぎた、次の日野口は珍しく父親に野球を誘われた。野口の父親は厳格な人間であったためたまに見せる優しさが野口にとってなにより嬉しかったのだ、辛い日々のつかの間の至福を野口は喉まで楽しんだ、帰り道、父親が 先に帰ってろ。 といった、野口が理由をたずねると父親は いいから先に帰ってろ、俺を怒らせたいのか、と恐ろしい剣幕になった、いつもならば父親が恐ろしい野口だがこの時の野口はそれでも帰ろうとはしなかった。野口は久々の最高の日を最後まで完璧に過ごしたいと思ったのだ。 父親は反抗的な野口の態度に逆上し腹を数発なぐると倒れ込んだ野口の腹を蹴り続けた、野口の父親は厳格であるゆえ世間
に酷く怯えていた、出来るだけ痕跡がわからない腹を集中的に殴り続けたのだ、世間様、世間様
、世間様に申し訳ごさいませんように、、、 目がさめると朝になっていた野口は腹に突き刺すような痛みを感じた、そして腹をおさえると涙がこぼれた、野口はふらつきながらも家に帰った、 家の近くまで来ると何やら騒がしかった、何人もの警官が野口の家の前に来ていたのだ、野口は腹の痛みなど忘れ駆けていくと家の中で母親が泣き崩れていた。父親が死んだ、、父親は焼死だった、父親は繁華街の風俗店
「パン助館」で女と包まった状態で発見された。 、、、バッ、、バカな! そ、そんな、、 母親→ う、う な 情けない!ああーー! 野口は信じられなかった、あの厳格な父親がまさかしぬなんて、それもパン助館で女と包まって、、、野口は闇を心にしまい込んだ、
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