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今日はウソつきおじさんの話。
ちびまるこちゃんのお父さんみたいな人だから、あだ名はヒロシにしよ。
ヒロシはいつも適当なことばかり言う。
会社の飲み会で初めて話した。隣の席だった。
「どこに住んでるんですか?」
「橋の下」
「ホームレスですか?」
「うん」
「娘と二人暮らしなの」
「橋の下で?」
「うん」
「へー」
「奥さんは?」
「別居中」
「橋の下じゃねー」
「うん」
初めての会話がこれだった。
ヒロシは今年、定年を迎えたけどまだ働いている。
目は老眼であまり見えず、耳も遠い。そして、ひねくれもの。
ある日のこと
「ハンコくださーい」
ヒロシ、データ印の日付直すのにモタモタ
「今日、9日ですよ」
「わかってるよ。どこに押すの?」
「54番に押してください。」
「どこだー?」
と言いながら、目を細めて探してる。
「ここですよ。ちゃんとメガネかけてよ。」
「わかったよ~」
回りの人に、
「マカロンさんデイサービスの人みたい」
「確かに!」
30分後…
ヒロシとすれ違い、
「メガネかけた?」
「かけたよー」
「かけてないじゃん!」
「何いってんだよ!目のなかにうめこんだんだよ~」
シカトした。
意味わからん。
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