起点

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遡ること30年程前。 署長のヴィクトル(影ではハゲというあだ名が付けられている)率いるルーアン警察一行はある事件の調査を行っていた。 この事件はクリストファーが新人として配属された時から捜査されているもので、いわゆる厄介なものであった。 事件の内容はこうだ。 路上で急に十数人の男女が人の名前らしきものを叫びながら、ナイフを振り回した。 という、どうにもこうにも気味の悪いものだ。 そして彼らの接点は一つだけあった。 それが今追っている宗教団体だ。 周りには虚勢を張っているクリストファーだったが、正直こういう類の話は苦手で早いこと解決すればいいと考えていた。 彼はキリスト教もあまり熱心になれず、土曜のミサも子供の頃親に連れて行かれたきりだ。
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