起点

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彼は緩やかに首をかしげ、答えない。 わからないのか教えないのか、クリストファーにはわからなかった。 「まあ、話は署に来てもらってからでいいだろう」 「ここにいるもの全てを署に連れて行くのか?入らないぞ」 「いやいや、君だけを連れて行って、他の人の話はここで聞こう」 署長はそう言うと、彼に背を向けて指示を飛ばす。 「クリストファーとアベルは俺についてこい! 他の奴らはここで彼らに事情聴取を行え!」 反射でハイと返事をしたが、自分の名が呼ばれていることに気づき、クリストファーはひどく驚いた。 しかし同時に台の上に座ったままの彼と目が合ってしまい、恐怖心が強まった。
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