第1章

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 狭い部分を無理やりに押し広げられ、 ぎしぎし擦られる痛みにも、 もう慣れた。  ――こんなことが気持ちいいだなんて、 みんなどうかしている。  白く濁った脳裏に、 そんな思いがかすめる。  SEXなんて、 男が勝手に欲望を吐き出すだけのこと。  別に相手が夏月でなくても、 彼らは一向に気にしない。 女の形をした肉の塊があれば、 それで満足なのだ。  男がうめく。 まるで牛の歯軋りだ。  じっとりと全身に脂汗を浮かべた、 男の身体。  肌が触れ合うだけでも気色悪いのに、 男の荒い呼吸が耳元にかかる。  煙草とアルコール臭の混じった生臭い息に、 おぞましくて鳥肌が立つ。
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