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ーーーーあっという間に時間は流れ、4月1日。
光本が車を出してくれることになり、私は家の近くにある公園で待っていた。
スマホをタップすると、午前7:00にちょうどなった所。
約束の時間は午前6:30。
『こんなルーズなやつ……絶対彼氏には出来ないな』
そう心の中で呟いた瞬間、黒い大型ワゴン車に乗った光本が現れた。
「ごめんごめん!腹が痛くてトイレから出られなくてさ!」
「はいはい、言い訳はいいから。さっさと小田も迎えに……」
と言って後部座席に乗ろうとすると、既に小田が姿勢正しく乗っていた。
「いっ……居るし」
足を車に掛けた状態で停止している私に、小田は幸薄そうな笑顔を私に向ける。
「部長、おはようございます。そして、お久しぶりです……。風邪もだいぶマシになりました……。熱もだいぶ下がったし……」
仮病であることを私達が気づいていないと思っているのか、小田は淡々とした口調で風邪の症状について説明した。
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