第三夜:歩美

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「い、嫌な予感ってさ……それは心霊系とかでって事?」 私がそう問いかけると、小田は鼻で笑いながら言葉を返してくる。 「フフ、それなら願ったり叶ったりな事でしょう?僕が言ってるのは遭難とか自然災害の方ですよ。 地震が起こりそうって思ったら、この前地震あったし……。こういうのってなんて言うんでしょう。予知能力?」 「お前にそんな能力があったら、お前をオカルト新聞に載せてやるよ。仕方ない、遭難した時の為に水を多めに買って行くか」 光本は笑いながら寂れたスーパーマーケットの駐車場に入っていった。 店内も閑散としていて、客の姿もチラホラと言ったところ。 品揃えの悪く、牛乳などの乳製品は消費期限まで残り2日しか無いものまで並んでいる。 店員も覇気が無く、ボーッとしている。 なんだか気味が悪くなった私は、お菓子を物色している光本の袖を引っ張り、早く買い物を済ませるように促した。
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