第三夜:歩美

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ペットボトルの水3本と腹持ちするようなキャラメルナッツの入ったチョコのお菓子を籠に入れてレジに並ぶ。 レジに立つのは60歳は超えて居るであろう男性だった。 いらっしゃいませも言わずに、黙々とレジを進める男性。 「あの……なんでこの店ってこんなに静かなんすか?」 光本が小声で男性に話しかける。 男性は眉間に皺をよせ、口をモゴモゴとさせる。 舌を内頬に押し付けているらしく、飴玉を舐めているようにも見える。 『失礼な人だな』と心の中で思いながら少し睨むと、男性は目を見開いて口を開く。 「あんたら……もしかして……」 そこまで言って停止する男性。 「な、なんだよオジサン。中途半端な所で喋るの止めたら気になるじゃん!」 光本が不安そうな顔で尋ねると、男性は私達3人から目を逸らして、再びレジを続けた。
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