第三夜:歩美

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私と小田が降りたのを確認して車にロックを掛ける光本。 「こんな男女が車中でいやらしい事をする為にありそうな場所から本当に落崖村に行けるのか?」 周囲を見回しながら頭を掻いて呟く光本。 「お前……私が女ってこと忘れているだろ?」 「えっ……あぁ、ごめんごめん!さぁ、とりあえずココでのんびりしても時間勿体ないし、行くか!」 そう言って先頭を歩き出す光本。 「光本、お前……適当に歩いて辿り着けると思ってるのか?歩き出すのは、とりあえず東西南北を認識してからにしてくれ」 私はそう言ってスマホのコンパスをタップする。 その時、この場所が圏外であることに気づく。 「光本、小田、お前らのスマホも圏外か?」 私の質問に、小田は静かに頷き、光本は「うわっ、最悪」と言ってスマホの画面を見つめる。
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