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歩きながら写真を撮っている私の背中をジッと見つめる小田。
何か言いたそうな顔でモジモジしている。
「どうしたの?トイレ?」
私が手を止めて小田に問いかけると、首を左右にブンブン振って言葉を返してくる。
「その写真……何か写りこんだりしてない?」
「心霊写真って事?それならそれで、オカルト新聞の一面を飾るだけだけど、一応確認してみよっか?」
私はそう言ってデジカメで撮った写真を再生してスライドさせていく。
顔を両手で塞ぎながら覗き込む小田。
廃屋を探索していた光本も「どうしたどうした?」と言いながら戻り、一緒にデジカメを見つめる。
写真は目で見ている風景と何も変わらず、崩れかけの家や廃屋を探索している光本の後ろ姿だけが映っている。
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